■国際教養大学について
国際教養大学(AIU)は秋田県にある公立の大学です。その最たる特徴は、国際色の豊かさにあるといえ、1年時には全員が国際寮で生活することになります。しかしその立地から、2年時以降もこの国際寮で生活する学生は多くおり、キャンパスはまさに、AIU生が学業と生活を共にする場であります。
さらなる特徴といえば、授業はすべて英語、さらには2年次か3年次には学生全員が留学をいたします。この留学に関しては、国際教養大学に支払う学費が、留学先の大学の学費に充てられるなど、留学のしやすさは日本一といえるでしょう。
キャンパス
〒010ー1292 秋田市雄和椿川字奥椿岱
■国際教養大学の入試制度
国際教養大学には多種多様な入試制度があります。社会人入試や編入試験を除き、現役生や浪人生が受験できる推薦入試は6つの種類があります。ここではまずそれら6つを分類し、その後それぞれについて詳しく説明致します。中には秋田県内の高校に通っている生徒のみが受験できるものや、現役生のみが受験できるものなどがありますので、出願可能なものをまずはチェックすると良いでしょう。
4月入学
1.グローバル・セミナー入試
2.グローバル・ワークショップ入試
3.学校推薦型入試
4.総合選抜型入試Ⅰ
9月入学
1.ギャップ・イヤー入試
2.総合型入試Ⅱ
■国際教養大学のグローバルセミナー入試
この入試は秋田県の高校に通う現役の高校生のみが対象になります。試験内容は、国際教養大学が主催するグローバルセミナーに参加した生徒のみが対象になります。このグローバルセミナーとは、宿泊が伴う合宿形式で行われ、英語や日本語での講義を受講し、発表やレポート提出などを行います。合否はその際提出したレポート、面接、出願時に提出する提出書類等で判断されます。
最も重視されるのはグローバルセミナーで提出するレポートになりますが、これは日頃から小論文など、文章力や表現力を磨いておく必要があることは言うまでもありません。レポートというと受講した内容のあらすじになってしまうものもよく見かけますが、自ら抱いていた問題意識などとつなげ、受講した講義内容とつなぎ合わせ、論文形式のものを作り上げると良いでしょう。セミナーはあくまできっかけにすぎないのです。
■国際教養大学のグローバルワークショップ入試
この入試は現役生だけではなく浪人生も出願が可能で、全国どこに住んでいても出願することが出来るものになっています。試験内容ですが、まずは国際教養大学において開催されるグローバルワークショップに参加しなければなりません。参加者のみが出願可能になるわけですが、まずそもそも、このグローバルワークショップへ参加すること自体が大変です。応募すればだれでも参加できるものではなく、事前に課題レポートを提出し、その良し悪しで参加できるか否かが決まります。見事このグローバルワークショップへの参加が出来れば、合宿形式のワークショップが行われ、その後、国際教養大学のグローバルワークショップへの出願をすることになります。その合否は、ワークショップの際のプレゼンやディスカッションといった活動内容、面接、出願時に提出する提出書類等で判断されます。
最も重視されるのはグローバルワークショップでの活動、つまりはプレゼンやディスカッションの様子であるといえます。プレゼンテーションに関しては表現力が、ディスカッションに関してはコミュニケーション能力等が必要になり、ある程度そうした資質を持つ生徒が多く受験することになるでしょう。しかしながらどう立ち振る舞えばよいかといったことは、ある程度の訓練でも養うことが出来、そうした練習を積んでくる生徒の少なくありません。
■国際教養大学の学校推薦型選抜
多くの国公立大学で学校推薦型選抜が行われておりますが、国際教養大学でも同様の推薦制度があります。この学校推薦型選抜では全国どこに住んでいても出願できますが、学校長の推薦が必要で、浪人生でも出願可能です。
試験内容に関しては英語エッセイおよび面接となり、それらに加えて事前提出書類が合否の判断材料となります。英語エッセイや面接対策に受験生は多くの力を注ぐかと思いますが、その内容は総合型選抜やギャップイヤーと同じですので、詳細は後述いたします。
■国際教養大学の総合型選抜Ⅰ・Ⅱ
この総合型入試は、全国どこに住んでいても出願可能で、浪人生も出願できます。試験内容は英語エッセイと面接となり、やはりここでも英語エッセイの出来が合否に大きく影響します。その英語エッセイに関する詳細は後述いたします。
■国際教養大学のギャップイヤー入試
国際教養大学で行われている様々な入試で、いわゆる普通の総合型選抜のイメージに最も近いのが、このギャップ・イヤー入試になるでしょう。この入試の特徴は何といっても9月入学になることであり、高校卒業から9月に入学するまでの半年間、どんな活動をするのかを書類に記し、さらにはプレゼンテーションでその活動内容について詳しく発表することになります。過去の受験生がそこで提示した者は、グローバルな体験であったり社会問題の探究であったり、さらには国内文化の探究など、実に様々です。求められるのは一貫性はもちろんですが、独自性であったり、その活動と国際教養大学での学びとの一致であったりします。
また実際の試験では、ギャップ・イヤー活動内容を含む事前提出書類、英語エッセイの試験、プレゼンを含む面接、これら3つで合否を決めることになります。
■国際教養大学の英語エッセイ
国際教養大学の推薦入試の中で、学校推薦、総合型選抜、ギャップイヤー入試では英語エッセイが課せられます。その内容に関してですが、英語の物語のような課題文が与えられ、それに関して自分はどう考えたか、それに関する論述を英語で行うものとなります。
エッセイを英語で書くわけですから、適切な作法に基づいているか、適切な文法や正しい単語が用いられているかといったことが重要であることは言うまでもありません。とりわけ英語エッセイの作法となると、まずはその構成が重要になります。日本語の論文の形と英語の論文の形とは異なる点がいくつかありますので、受験生はそのことに関する知識と理解が求められます。通常、高校生であれば英検の学習をし、海外留学経験がある生徒はIELTSなどの受験を経験したことでしょう。それらスコアや合否を競う英語の学習と英語エッセイとはやはり相違点が多々あるため、そのことへの理解が受験生には早い段階で求められ、英語エッセイの形を早くつかみ、その対策をすべきだといえます。
もちろん、そうした作法や文法や語彙力も重要ですが、それ以上に問われることは、やはり内容です。表面的な定型文で文字数を稼ごうとするような姿勢では、決して合格には至りません。 Youtubeなどでは、AIU生がどのような英作文を書いたら良いかを解説をしている動画も多くみられます。たしかに英作文の作法を知らぬ受験生にとっては、そうした動画は有益だと思います。
受験生に求められることは、そうした動画で最低限のことを身につけたうえで、どのような発想を持っているのか、それを英作文で書き表せるか、そうした力を養っていくことだといえます。したがって、英検対策のような定型句で文字数を稼ぐといったことや、いわゆる英語だけが出来るセミリンガルの状態に陥ってしまっている受験生は、内容の面で不安が残ります。そのためには豊かで深い発想力が求められ、面接のことなどを合わせて考えれば、やはり日本語小論文を学習する姿勢が求められるでしょう。
■国際教養大学の面接
国際教養大学の面接では、日本語での質問のみならず、英語での質問も行われます。どちらの質問も、深く鋭い突込みというのはあまりありません。しかしながら、面接の中では1つ2つ、核心を突くような質問が投げかけられるとお考えください。ふわりとして質問が多い中で、突然投げかけられる刃のような質問への返答が、面接の得点を大きく左右すると考えるとよいでしょう。
まず英語での質問に関してですが、投げかけられる英語はそれほど難しいものではなく、質問内容も自分に関することや、英作文に関することですから、ある程度の対策や準備は可能です。この英語の質問は、基本的にはネイティブの先生が担当されます。AIUの先生の中には外国の方も多く、中には決して発音が聞き取りやすいとは到底言えない先生もいらっしゃいます。よって面接では、先生の質問がそもそも聞き取れないということも珍しくはありません。よって、1度聞き返すことくらいは十分許容範囲内です。ですが、一度聞き返すと先生はやさしい英語に切り替え、わかりやすく話してくださいますので、このことを鑑みますと、やはり1度で聞き取れる方が評価は高まると思われます。
日本語でも質問に関してですが、ふわりとした、受験生の思考の深さを探るような質問が投げかけられます。志望理由書などの事前提出書類の内容からも確かに聞かれますが、こちらは深いところまで掘り下げられるというよりは、そもそも論に重点が置かれているようなイメージで対策すると良いでしょう。
この面接に関しても英語同様、質問に対して返答できれば良い、定型句で返答するというような姿勢では、国際教養大学は評価をしてくれないと考えるべきです。受験者一人ひとりの視野の広さと思考の深さが探られますので、批判的思考を含めた多角的な視点を持ち、論理的な返答だけではなく時には感情的な返答も交えながら、自分はどんな人物であるかをぶつけると良いでしょう。
■二重まるの国際教養大学対策
国際教養大学を受験する生徒が身につけねばならぬものは、大学が推している教養やリベラルアーツであることは言うまでもありません。しかしながら受験生の中には、これらを表面的にしか理解していないケースも珍しくはありません。教養とは様々な分野の学問知識、リベラルアーツとは好きなことが学べる、そう答える受験生が多くいるのですが、その答えは100点中30点ほどにしかなりません。そして教養やリベラルアーツを、辞書を用いてその意味を調べるという受験生もいることでしょう。たしかにそうすれば正しい言葉の意味は理解できます。しかしながら、国際教養大学が求めているのはそうした意味を知っていることにとどまりません。受験生には、言葉の意味を知ったうえで、自らのこれまでの経験や今後を見据えた思考をもって、それら2つの言葉を駆使し、自らの意見として使いこなせる状態になっておきましょう。
また、大学入試においては過去問題などを用いていわゆる傾向に沿った対策をし、表面的な知識とテクニックさえを身につければ、合格できてしまうケースは数多く存在します。しかしながら国際教養大学は受験生の本質を見抜こうとしてきますので、広い視野と深い思考を備えぬまま、英語やプレゼン、面接などの対策をしたとしても、合格することは難しいといえます。たとえば英作文においては、英語ができるというだけではなく、どれだけ深い考えを持っているかを表現する必要があります。面接においても、正しく答えるだけではなく、熱い思いをもって答えるということが必要です。当塾では、国際教養大学を目指す生徒に対しては、そうした人間的な部分の指導から構築していきたいと考えております。
■国際教養大学のまとめ
①国際教養大学の推薦入試は6つの種類がある。
②英語エッセイが必要か否か、4月入学化9月入学かなど、違いを見極めよう。
③国際教養大学が推しているのは教養とリベラルアーツである。
④英語エッセイは英語が出来るだけでは厳しく、思考力が重要。
⑤英語エッセイや面接の対策では、思考力育成のために小論文の取り組みが欠かせない。
⑥プレゼンやディスカッション対策も重要で、発信力だけがあっても不十分。
■二重まるの国際教養大学対策
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